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2025年の出張費の相場は?
実績データからみる相場と見直し方法を解説

更新日:公開日:2023年9月19日
海外出張(管理者向け)海外出張(出張者向け)
2025年の海外出張の動向は?見直すべきポイントを解説!

昨今の経済状況や物価の高騰により、出張費は年々増加傾向にあります。
みなさまの企業では次のような出張者からの声は上がっていませんか。

・出張費の上限を見直してほしい
・条件に合う手配をするために時間がかかっている

しかし、いざ出張費を見直そうと思っても、「出張費の適正はいくらなのか」「どのように見直せばよいのか」など疑問を感じている出張管理者の方も多いのではないでしょうか。
本コラムでは、HISの2025年の実績データから見える海外出張費の相場と見直しへの具体的なアプローチ方法を解説します。

<出張の実績データについて>

以下の実績データは、HISの2019・2024・2025年の1月~6月の出発データより作成しています。

出張費の相場は?

現在の海外出張の動向は?

それでは、HISの実績データをもとに、航空券とホテル代金の相場はいくらくらいなのかをみていきましょう。

航空券価格

エコノミークラス航空券代金の比較

※比率は2019年と2025年の航空券代金の対比

2019年 2024年 2025年 2019年比 2024年比
上海 88,950 130,300 105,830 119.0% 81.2%

航空券代金(中央値)の上昇率は、2019年から2025年にかけて、いずれの都市も大幅な上昇が見られ、高止まりの傾向です。アジア路線で約120~170%、長距離路線では170%以上となってます。
出張需要の高い上海行きを見てみると、航空券代金(中央値)は2019年が88,950円に対して、2025年は105,830円となってます。

航空券代金の価格変動は、航空会社や予約のタイミングによっても異なる傾向が見られます。
この傾向を自社データから分析したうえで、出張規程に具体的な予約期限(例:日系航空会社を利用したい場合は出発21日前まで、イレギュラーを除く最終予約期限は出発7日前までなど)を設けることもおすすめです。
このように航空券を手配することで、コスト削減だけでなく、出発直前に希望のフライトに空席がないというリスクを防ぐことにもつながります。

ホテル価格

主要首都別ホテル価格代金の比較

※比率は2019年と2025年のホテル価格代金の対比

2019年 2024年 2025年 2019年比 2024年比
シンガポール 17,780 34,800 31,080 174.8% 89.3%
ニューヨーク 25,000 48,300 53,500 214.0% 110.8%

物価指数

物価指数

出典:NUMBEO Cost of Living
https://www.numbeo.com/cost-of-living/
※ニューヨーク:100を基準とした場合(2025年2月21日現在)


ホテル価格(中央値)も、2019年から2025年にかけて、軒並み大幅な上昇が見られ、高止まりの傾向です。
その中でも、特にニューヨークはコロナ前の2019年と比べて214%、2倍以上に跳ね上がっています。
アジア方面では、シンガポール(174.8%増)も高い上昇率を示しており、その要因について考えていきたいと思います。シンガポールはもともと物価が高い都市ですが、経済の好調さや観光需要の増加がホテル価格の上昇に拍車をかけていると考えられます。
ホテル代金と物価指数は必ずしも比例していませんが、都市ごとの経済状況や需要と供給のバランスが価格に大きく影響します。また、このように、同じアジア圏でも例外的に高額な都市が存在することも留意しておくべきでしょう。

出張費が値上がりする要因は

外的要因

航空券やホテル代金の値上がりは、円安や世界情勢など、さまざまな要因が影響しています。


・円安
・燃油サーチャージの高騰
・座席供給数
・各国の情勢による影響
・物価高
・航空会社・ホテルなどの人的リソース不足など


ここで、座席供給数に焦点をあててみましょう。

国際線航空輸送提供座席数推移 (日本着)

2019年
実績数
2025年
計画数
提供座席数 3,787 3,928
(+141)
104%
海外
就航地別
TC1
南北アメリカ大陸と近隣諸島(ハワイ諸島を含む)地域
393 379
(-14)
96%
TC2
ヨーロッパ・中近東・アフリカと近隣諸島地域
278 245
(-33)
88%
TC3
アジア(中近東を除く)・オセアニアと近隣諸島地域
3,115 3,304
(+189)
106%

※単位:万席
※夏季スケジュール期間:3月の最終日曜日~10月の最終日曜日の前日の土曜日
※提供座席数は1,000の位(一部100の位)を切り捨て、比率は小数点第1位を切り捨て
出典:株式会社ANA総合研究所 2025年夏季スケジュール日本着国際航空輸送提供座席数まとめ https://www.anahd.co.jp/group/ari/news/20250509.html


2025年夏季の国際航空輸送提供座席数は、2019年夏季スケジュール実績と比較するとヨーロッパ・中近東方面では88%に留まりましたが、全体では104%の増加となっております。また、これは2019年比で141万席、2024年比で440万席もの供給増となります。

では、提供座席数がほぼ回復しているにもかかわらず、なぜ航空券代金が高騰しているのでしょうか。
その理由のひとつとして、訪日外国人数が急激に増加したことも考えられます。日本政府観光局によると、2024年の年間訪日外客数は過去最高であった2019年を約500万人上回って年間過去最高を更新しており、2025年上半期も過去最速で2,000万人を突破したと発表しております。これにより、供給が需要に追いついていないことが挙げられます。
航空券代金は、供給数と需要のバランスが取れてくることで、価格高騰が安定化する見込みです。


出展:日本政府観光局
訪日外客数(2024年12月および年間推計値)
https://www.jnto.go.jp/news/press/20250115_monthly.html

日本政府観光局訪日外客数(2025年6月推計値)
https://www.jnto.go.jp/news/press/20250716_monthly.html


内的要因

また、以下のような内的要因もあります。


・社員が各自手配してる
社員が各自で手配を行う場合、統制や規程がない状況では、個々の好みに基づいて予約を行ってしまい、結果として通常よりも高額な費用が発生する可能性があります。

・承認フローの中で見落としがある
例えば、承認者が出張の詳細を十分に確認せずに承認することで、不必要な出張や高額な航空券・ホテルが選ばれたり、承認フローが複雑な場合、迅速な対応が難しくなり、結果として購買のタイミングが遅れて、コストが高くなることがあります。

出張費の見直しへのアプローチと具体例

このような航空券代金やホテル代金の値上げなどさまざまな要因がある中で、出張費の見直しにおいて重要なアプローチと具体例をご紹介いたします。

出張傾向の把握・分析

出張動向データを分析し、出張の頻度、目的、目的地、期間などの傾向を把握しましょう。
ここで重要な点は、まずは自社のデータを確認することです。業種や職種により傾向は異なるため、そこも考慮して出張費を見直すことをおすすめします。

手配・精算・承認フローの見直し

出張者の手配にかかる時間や管理者の管理業務にかかる時間など間接コストへも目を向けましょう。
20代から50代の出張経験者を対象とした出張に関するアンケート調査(Knowns Bizを活用したインターネット調査)結果では、手配にかかる時間に「1時間以上」と回答した割合は全体で49.2%、海外出張に限定すると70%にのぼり、予約手配の効率化の余地があると考えられます。

出張手配にかかる時間は?

出張手配にかかる時間は?

その他、例えば、現在出張承認者が1名のみの企業の場合、複数の承認者を設けることで、属人化による承認者不在時の遅延を防ぐことができ、結果として、組織全体の効率性が向上し、間接費の削減に繋がります。

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出張者が「面倒に感じる出張業務」など出張手配にかかる時間を短縮し、効率化するためのポイントを解説!
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定期的な出張規程の見直し

出張規程は企業の成長や社会情勢に合わせて定期的に見直しましょう。
時代に合わない規程のままでは、出張費の無駄や社員の不満につながる可能性があります。最新の情勢や企業の方針・業績に合わせて更新していくことが重要です。また、出張者や経理部門など関係者からの意見なども反映させ、実用的で適切なものにしていくことが重要です。

出張費の見直しに重要なのは最適化

現在の海外出張の動向は?

出張費の見直しは、企業の利益に貢献する一方で、本来の目的を見失うリスクも伴います。例えば、快適に出張に行きたい出張者の意見を尊重したことで、出張費がかさんでしまったり、透明性が確保できなくなる可能性があります。また、もし削減できる項目が見つかったからといって、削減に注力するあまり、LCC(格安航空会社)の利用を推奨したり、単にホテルのグレードを下げたりすることは、労働条件を損ない、出張における安全性や快適性の確保に影響を及ぼす可能性があります。さらには、社員の不満やモチベーションの低下、業務効率の悪化を招く恐れもあります。
出張費を見直す際は企業や出張者にこのように新たな課題が発生する可能性を考慮し、最適化させていくことが大切です。

・出張に行く社員や管理者に負担をかけずにコスト削減や見直しを行いたい
・スピード感を持ってデータ分析を行いたいが、自社での見直しにはデータ面やリソース面で限界がある。
・コスト削減方法を知っていてもそれが最適な方法なのか自信がない
・手配・精算・承認のフローを統一し、効率化したい
・現行の旅行会社とコンサルティングサービスの比較をしたい

このような課題をお持ちの場合は、専門知識のある旅行会社の目線を取り入れることもおすすめです。
さらに、BTM(ビジネストラベルマネジメント)システムを導入することで、出張関連業務を一元管理し、渡航費用や手続きの全体像を可視化・分析することが可能です。これにより、コスト削減や業務効率化を実現し、リスク管理の強化にもつながります。
HISでは定期的な報告・改善提案を実施し、継続的な出張管理を支援します。
出張者の渡航中のサポートはもちろん、予約代行者や管理者にとっても利便性向上に繋がります。

最後に

業種や職種によって傾向は異なりますが、みなさまの企業の出張費はいかがでしたでしょうか。
出張費の見直しは費用対効果も考慮し適切に行う必要があります。 目先の成果に捉われずに効率的な見直しを行い、出張費の最適化を目指しませんか。

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